蔵前工房としてのシェアリングエコノミー

蔵前工房としてのシェアリングエコノミー

流行りの言葉です。直訳すれば「共有経済」あるいは「分担経済」ということですが、要は「分かち合う経済」ということでしょうか。

そういう意味で、蔵前工房のもの作りは正にシェアリングエコノミーといえます。何をシェアしているのか?それは革の裁断から最終縫製まで、もっと広くは牛からお客様まで、多くのプロセスをそれぞれのスペシャリストたちが分かち合うことで成り立っているということです。蔵前工房のもの作りが実際どのように行われているのか、簡単にご紹介したいと思います。

牛からといっても、われわれが関わるのはやはり牛が革になってからとなります。財布や革小物の製造工程は大きく分けると①材料集め②裁断③革漉き④組立縫製⑤検品仕上げ、という工程となります。特に②裁断③革漉き④縫製は経験と熟練の技術がものをいう部分で、それぞれに専門の職人さんが、主に自宅兼工房を構え仕事をしています。このような分業制は漆器などの伝統工芸品の製作においても古くから行われており、日本の伝統的なものづくりのシステムなのかもしれません。

シェアリングエコノミーには休眠資源の有効活用という側面もあります。これには人的資源も含まれます。近年「働き方改革」が叫ばれ、女性や高齢者の活躍の場を広げようという動きや、「SOHO」「テレワーク」といった新しい言葉も生まれています。けれども蔵前工房が関わるもの作りのネットワークはすでに、さまざまな働き方のニーズを受け入れることが可能な仕組みになっています。ここでは80歳をゆうに超えた職人さんや、小さなお子さんを二人抱えたお母さんも立派な戦力です。

私たち蔵前工房が総合プロデューサーとして、このネットワークを支え、拡げていくことができれば、少しは社会貢献にもなるのかなと考えています。次回からはそれぞれのメンバーの方の素顔やお仕事ぶりも紹介していきます。乞うご期待。